【太陽光パネルの保守点検】売電と自家消費では費用はどちらがお得？

近年は自家消費に注目

2009年11月から2012年7月までは余剰電力買取制度（太陽光発電システムで生産した電気が家庭や事業所の電気の使用量を上回る場合、使いきれない分の電力を売電する制度）が導入されていました。しかし、近年では売電せずに自家消費する家庭や事業所が増えています。

理由の1つは、売電価格が低下傾向にあるため、初期費用をかけても思ったような売電収入を得られないことです。近年の売電価格は電気料金と比較してはるかに安価となっており、2023年度の売電価格は9.5～16円／kWh、一方の電気料金は関西電力（従量電灯A）の場合で約26円／kWhです。つまり、1kWhあたり17円の価格で電気を売るよりも、その分を自家消費に回して26円の電気代を節約したほうがお得になります。

発電した電力をすべて自家消費に回せば、電力会社に支払う電気代を大幅に抑えることも可能です。特に夏のエアコン代などを自家消費の導入によって節約できるでしょう。

自家消費の中でも特に注目されているのが、全量自家消費型太陽光発電です。これは、発電した電気を全く売電せずにすべて自家消費する運用方法となっています。エコキュートや電気自動車など電気を大量に消費する電気製品を使用する場合も、電気代を心配する必要が少なくなります。また、オール電化にも適している、災害時に停電が起きた場合も安定した電力の供給を得られるなど、様々なメリットを得られます。

特に企業の場合、データセキュリティ対策やBCP対策、脱炭素化へ向けた活動としても有効であり、企業価値の向上につながる可能性があります。

売電から自家消費型に切り替えるときのポイント

太陽光発電を売電から自家消費型に切り替える際には、自家消費ユニットの導入と設置工事が必要です。自家消費ユニットの設置には専門的な知識が必要となりますので、全量自家消費型への切り替えをお考えの場合は、まず専門業者へ相談してください。

また、事業所の場合は国の補助金制度を利用できる可能性があります。例えば、中小企業経営強化税制は、太陽光発電設備を含む生産設備を導入した企業に対して、即時償却もしくは税額控除を行う制度です。補助の対象は、全量自家消費型太陽光発電と自家消費率が50％以上の余剰売電型太陽光発電となっています。

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